
こんにちは。現役医師のほしと(@hoshitodoctor)です。
社会人のみなさん。
突然ですが料理はするでしょうか。
今回は、一人暮らしの社会人におすすめの料理「ペペロンチーノ」のレシピをご紹介します。
ペペロンチーノは、aglio, olio e peperoncinoの略であり、
- aglio・・・にんにく
- olio・・・オリーブオイル
- peperoncino・・・とうがらし
の3つの食材を使うパスタ料理のことです。
このように一人暮らしにはもってこいの自炊料理です。
今回はこの「ペペロンチーノ」の作り方を、科学的根拠とともに詳細に解説して行きたいと思います
ペペロンチーノ:社会人のおすすめレシピ
ペペロンチーノは前述の通り、にんにく・オリーブオイル・とうがらしのみを使った料理です。
にんにくととうがらしの味をオリーブオイルに馴染ませて、それをソースとするパスタです。
この基本のパスタをマスターすれば、様々なトッピングを加えて派生系パスタも簡単に作れるようになります。
ペペロンチーノ1人前(パスタ80g)のレシピを8ステップに分けて説明します。
- にんにくひとかけらをみじん切りにする
- とうがらしを輪切りにする
- にんにくととうがらしをフライパンに入れ、36ccのオリーブオイルで炒める
- 15gの塩を入れた1Lのお湯を沸かす
- パスタをお湯で茹でる(表示マイナス1分)
- 茹で上がる直前にお玉1.5杯分(75ml)の茹で汁をフライパンにいれる
- 茹で上がったパスタを⑥に入れ、ソースを絡める
- 完成
では順番にみて行きましょう。
にんにくをみじん切りにする

にんにくひとかけらをみじん切りにします。
この時、芯はとるようにしましょう。
というのも芯は焦げやすく、にんにくの旨味をオリーブオイルに移す工程で失敗しやすくなってしまうからです。
とうがらしを輪切りにする

次にとうがらしを輪切りにしましょう。
ハサミでそのまま切ると楽です。
この時、中の種もまた焦げやすいので取ってしまいましょう。
オリーブオイルに下味をつける

フライパンにオリーブオイルを36cc入れます。
先ほど切ったにんにく・とうがらしを入れてから、弱火にかけます。
✔︎ 必ず弱火で、わずかにきつね色になるまで炒める
この時、オリーブオイルの温度は100度前後を維持します。
というのも150度付近にてメイラード反応が起こり、焦げた味がついてしまうからです。
にんにくの周りにわずかにプチプチと泡立ってきた状態をキープするのが大体100度付近になります。
にんにくがわずかにきつね色になってきたら火を止めます。
15gの塩を入れた1Lのお湯を沸かす

ここでポイントなのは、
- 沸かすお湯は1.5%の塩水であること
- なるべく少ないお湯で沸かすこと
の2つです。
1.5%の塩水で沸かすことによって、パスタの中まで塩味を染み込ませる事ができます。
そしてなるべく少ないお湯で沸かす理由は、後に使う茹で汁のデンプン濃度を高めるためです。
茹で汁のデンプン濃度が高いほうがいい理由は後述します。
パスタをお湯で茹でる(表示マイナス1分)

次にパスタを茹でます。
茹でる温度は表示時間マイナス1分にしてください。
というのも後にフライパンに移した時にまだ熱が通るからです。
お玉1.5杯分(75ml)の茹で汁をフライパンにいれる

パスタが茹で上がる直前に、お玉1.5杯分(75ml)の茹で汁をフライパンにいれます。
ここでフライパンは中火くらいにかけはじめます。
茹で上がったパスタを⑥に入れソースを絡める

茹で上がったパスタを⑥に入れ、強火にし混ぜ合わせます。
ここで一番大事なポイントが訪れます。
✔︎ ペペロンチーノは『乳化』が命
ここでいう乳化とは、オリーブオイルと茹で汁を分離させる事なく混ぜ合わせる事です。
それによってとろみのあるパスタによく絡むソースが出来上がります。
本来は水と油は混ざり合いません。
ドレッシングを想像してみてください。
振れば乳化しますが、放っておくとすぐ分離してしまいます。
しかしマヨネーズはどうでしょうか。
水と油であるにも関わらず、放置しても分離しません。
それは乳化剤という水と油をくっつける役割がある物質が入っているからです。
マヨネーズで言えば『卵』がそれにあたります。
同様にペペロンチーノでは、茹で汁の中に溶け出したデンプンが、オリーブオイルと茹で汁の乳化剤として働きます。
だから、工程④でなるべく少ないお湯でパスタを茹でる必要があったわけです。
完成

⑦を強火で熱しながら混ぜ、適度に茹で汁の水分が飛んだら完成です。
うまく乳化ができていれば、オリーブオイルが分離する事なくとろみのあるソースが出来上がります。

少ない食材ですが、要点をおさえればとても美味しく出来上がります。
まとめ:料理を科学する
以上がパスタの基本「ペペロンチーノ」の正しい作り方でした。
料理には様々な化学反応が関わってきます。
その意義を理解する事で、少ない食材でもより美味しく調理する事が可能です。
まずは安価で簡単に調理できる「ペペロンチーノ」をマスターしてみてはいかがでしょうか。
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