ゴルフの練習方法の一つに「タオル素振り」というものがあります。
1度は聞いたことがある練習方法かと思いますが、この方法、ゴルフの効率的な上達にはあまり向きません。
実際自分でやってみてもその効果をあまり実感しませんでしたし、私の周りのトップアマやプロの方々で実践していられる方もいません。
この練習、ゴルフの上達の遠回りになっている可能性さえあります。
この記事では「タオル素振り」練習が効率的でない理由とともに、それに変わるトップアマやプロも実践するおすすめの素振り練習を紹介したいと思います。
タオル素振りでゴルフは上達しない
タオル素振りの効果・効用は様々な場所で謳われていますね。
例えば、
- クラブのしなりが体感できる
- クラブの切り返しのタイミングが掴める
- 自宅で簡単にできる
等々、聞いたことがあると思います。
確かに、そう言われてみればそのようにメリットがたくさんあるように思います。
しかし、よくよく考えてみるとそう簡単なものではありません。
これらの一見すると正しい「タオル素振り」練習の効果・効用について、1つずつ検証していきましょう。
主張1:しなりが体感できる


ゴルフで重要なのはシャフトをしならせること。シャフトのしなり戻りでスイングスピードが上がって飛距離につながります。タオル素振りではこのしなりの感覚が身につきます。
このような説明を良く見聞きしたことがあるはずです。
でもよく考えてください。
タオルのしなりってなんだ??
そのそのタオルみたいなフニャフニャなものに”しなり”なんてあるはずもなく、タオルをいくら振ってもしなり戻りを体感することはできません。
しなり戻りを体感する必要があるなら、重力下でも自立する”棒”を振る必要があるはずです。
主張2:切り返しのタイミングが掴める


タオル素振りは正しい切り返しのタイミングを覚えるのに効果的です。タオルが背中に当たったタイミングが切り返しのポイントです。
これもよく聞きます。
しかし思うに、切り返しのタイミングは人それぞれなはず。
例えばPGAの中でも切り返しの早いTony Finauプロのスイング。
早いテンポでの切り返しですね。
一方で、かの松山英樹プロの切り返しのテンポはもっと遅いですよね。
トップでいったん静止するかのようなリズムで、フィナウ選手のリズムとは全く異なります。
そしてより変わったテンポで打つ選手といえば、Victor Hovland選手。
彼は2019年のマスターズで金谷拓実選手を差し置いてローアマに輝いた選手で、現在22歳にしてプロ転向しており既にPGAで1勝をあげています。
そんな彼のスイングがコチラ。
今までの二人とは全く異なるテンポです。
このように、切り返しのテンポは人それぞれなはずであり、それを意識する練習の意義は極めて薄いといえます。
主張3:継続しやすい


タオル素振りのいいところは手軽にできることです。お金もかからなく経済的で、外が寒くて素振りが億劫な時にも家の中でできるので、継続しやすいのがいいところです。
最後にこのような主張です。
まず、「お金がかからなく経済的である」ことについて。
確かにタオルを振っていればお金はかかりません。
しかし外で自分のクラブで素振りをするのももちろんお金はかからないし、仮に素振り練習器具を買ってもせいぜい¥5000〜8000ほどです。
「お金がかからなく経済的である」という点は他のドリルに比べ特筆すべき点では全くなく、むしろ非効率的な練習に時間を割くことによる機会損失の方が大きいのではないかとさえ思います。
次に、「外が寒くて素振りが億劫な時にも家の中でできる」という主張。
少し厳しめな言い方になってしまいますが、外が寒いからという理由で屋外での素振りを諦める人が、毎日継続してタオルを振り続けることができるのでしょうか。
ただでさえタオルを振り続けるというつまらない練習なのに、寒さで練習を諦めるような人が続けられることはない、と私は思います。
そもそもタオルを振るより、本物のクラブや素振り棒を屋外で振った方が何倍も楽しいです。
まあ確かに屋外での練習は雨の日にはできません。
しかし日本において雨の日なんてほんの120日ほど、年間の1/3弱です。
逆に雨が降っていない日は外で素振りの練習をする、くらいのモチベーションがちょうどいいのではないのでしょうか。
何はともあれ、「タオルを振る」というそもそもつまらない、ゴルフとかけ離れた動作を毎日継続するのはとても根気のいる作業であり、継続しやすくは全くありません。
どんなドリルにも「つまらない・継続できない」という悩みは付き物ですが、その中でも継続を後押ししてくれるのはただ一つ、「成長を実感すること」に他なりません。
そんな「成長を実感」し、自分自身が継続することができた練習方法を次に紹介したいと思います。
ゴルフが上達する素振り法|トップアマやプロも実践
ゴルフが上達する素振り法は、「なんでもいいので棒を振ること」です。
その理由や、実際に実践しているプロ、おすすめの素振り棒などを以下の記事で紹介しているので是非ご一読ください。
タオルを振るよりは圧倒的におすすめの練習方法です。
まとめ|タオルは体を拭くもの
以上、タオル素振りをおすすめしない理由をご紹介しました。
とは言っても誰でも持っているタオルで簡単にできる練習方法なので、1度やってみるのもいいかなと思います。
その上で、タオル素振りの弱点を体感し、貴重な時間を他の効率的な練習に当てていただければと思います。
そしてタオル素振りに変わる特におすすめの練習が、「素振り棒での素振り」です。
ここはタオルと共通するところなのですが、やはりゴルフにおいても素振りは重要です。
特に、素振り用練習器具で素振りすることをおすすめします。
詳しくは以下の記事で解説しているので気になる方はチェックしてみてください。
タオルは振り回すのではなく、物を拭く時に使ってあげてくださいね。
(ただしコンサート会場は除く)
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