
こんにちは、現役医師のほしと(@hoshitodoctor)です。
仕事において、
- 集中したいのに気付いたらスマホを触ってしまっている…
- 周囲の音で気が散ってしまって集中できない…
などの経験、一度はあるのではないでしょうか。
このように、世の中には気が散ってしまう要素がたくさんあり、それが我々の集中を妨げています。
中には、

気が散って集中できないのは自分の意志が弱いからだ…
とお考えになる方もいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。
その昔、危険が常に付きまとう野生の中で暮らしていた我々にとって、注意があちこちに向いていることは生き残る上で必要な能力でした。
その遺伝子が組み込まれている我々が気が散ってしまうのは、至極当然のことなのです。
とは言ったものの、世の中には集中することに長けている人とそうでない人がいます。
集中することに長けている人は、実は意志が強いのではなく、集中しやすい環境を自ら作り出す術を知っているだけなのです。
そして今回はその集中しやすい環境の作り方について解説したいと思います。
この方法を理解し実践することによって、自身の集中力を途切れさせることなく、何事においてもより高いパフォーマンスを発揮できるようになるでしょう。
仕事で集中力を持続・維持させる方法

集中しやすい環境を作る際には、以下の二つの側面からアプローチすると良いでしょう。
- 気が散る要素を無くす
- 集中力を高める要素を加える
気が散る要素を無くすことで、集中の状態から離脱することを防ぎます。
同時に、集中力を高める要素を追加することで、集中が途切れる閾値を上昇させます。
この二つの側面から、集中しやすい環境整備を行っていきましょう。
1. 気が散る要素を無くす

人間は五感から情報をインプットします。
同様に気が散る要素もこの五感からインプットされます。
特に自身の視覚・聴覚から入ってくる情報を制御することが、集中の妨げを防ぐのに非常に大切です。
視界に物を置かない
まず集中して作業する際には、視界に必要最低限の物以外を置かないよう徹底しましょう。
例えばiPhoneや本、漫画などが机にある人は、それを完全に視界の外に追いやってください。

視界の外に追いやるというのが非常に大事なポイントです。
ある研究では、
電源を切ったスマホであるにもかかわらず、ポケットにしまいながらや目に見えるところに置いて作業すると、認知機能が睡眠不足時と同等まで低下する事がわかっています。
スマホは仮に使っていなかったとしても、視界に存在しているだけで集中の妨げになってしまう、という事です。
なのでスマホは、
- 通知オフ(もしくは電源オフ)
- 視界の外に置く(ポケットもダメ)
としておくようにしましょう。
仕事に取り組む前に、5分で良いので自身の机の整理の時間に当ててみてください。
これからのより質の良い集中を得るための先行投資だど思えば、十分に割く意味のある時間のはずです。
雑音をシャットアウトする
視覚に続き、聴覚から得る無駄な情報もシャットアウトしましょう。
例えば、リビングで仕事をしてる人、部屋の扉を開けて作業をしている人は、今すぐ書斎の扉を完全に閉めて引きこもりましょう。
アメリカの小説家であるスティーブン・キングは次のように言っています。
ドアを閉める事で、あなたは世界と自分自身へ向かって、本気で取り組む意思表示をしている。
-Stephen Edwin King-
彼もまた、集中する際には外界との接触をシャットアウトする重要性を説いている一人です。
ドアを閉めても音が完全にシャットアウトできない、オフィスなどの大人数の環境で仕事をしている人にオススメなのが、ノイズキャンセリング機能付きのイヤフォンです。


私自身、医局で作業する際に欠かせないアイテムです。
ノイズキャンセリング機能とは、イヤフォン自体が外部音と逆位相の波形を生成することで、無音を作り出す機能のことです。
AirPods proはその機能を搭載しており、音楽が流れていない時にもその機能が使えるのが特徴です。
つまり耳に付けるだけで、どこでも無音状態・静寂を作り出せる『最新のテクノロジーを駆使した耳栓』なのです。
ちなみにこれを耳に着けて作業するメリットは、静寂を作り出す以外にもあります。
オフィスなどでイヤフォンを付けることは、他の人へむけて「今から集中するので邪魔されたくない」という意思表示の意味も込めているのです。
このように外の世界に対しても本気で取り組む意思表示をすることで、オフィスなどの他の人がいる環境においても邪魔されにくい環境を構築することができるのです。
是非一度試してみることをオススメします。
手放せなくなること間違いなしです。

それでも他の事が気になったら
今説明したことを実践しても、
- 今日の株価が気になる…
- 公共料金の支払いを忘れてた…
- 郵便物の再配達の申し込みをしなきゃ…
いろいろな気がかりが突如として浮かんでくることもあるはずです。
もちろん私もあります。
そんな時にオススメなのが、『メモをとる』ことです。
やらなきゃいけない・やりたい事が思いついたら、例えそれが短時間で終わる作業だっだとしても、メモをとって後回しにすることをオススメします。
一度作業を中断してしまうと、再び再開するのには想像以上のエネルギーを必要とします。
なので、イベントの出欠確認をLINEでするといった簡単な作業でも、メモに記録するに留め、本業を中断しない事が集中のためにはとても大切なのです。
2. 集中力を高める要素を加える

気が散る物を遠ざける事ができたら、今度は集中力を高める要素を追加することで、集中が途切れる閾値を上昇させることに目を向けましょう。
私がオススメする、簡単にできる集中力を高めざるをえない環境構築法は、
- カフェインを摂取する
- タイムタイマーで時間を可視化する
の2つです。
それでは順番にみていきましょう。
カフェインを摂取する
おそらく皆さんも知っていると思いますが、カフェイン摂取は認知機能を向上させる効果があります。
もちろんこれによる集中力の向上も期待できますが、今回はもう一つの役割をご紹介します。
仕事前にカフェインを摂取する習慣を付けることで、集中モードに入るためのスイッチを作る事ができます。
パブロフの犬の実験をご存知でしょうか。
犬にベルの音を聞かせてからエサを与える。それをセットで何回も繰り返すうちに、犬はベルの音を聞くだけで唾液の分泌量を増やす。これは、ベルの音が鳴るとエサがもらえると犬が学習したために体が反応したことによる。
この実験と同様に、カフェインを摂取してから集中作業に入ることを繰り返すことで、カフェインの摂取を集中モードのトリガーとしてしまおうという考えです。
カフェインの上手な使い方については以下の記事で解説しているので参考にしてください。
タイムタイマーで時間を可視化する
皆さんタイムタイマーをご存知でしょうか。

残り時間を赤色で見やすく表示してくれるタイマーです。
これを机の上におく事で時間を可視化され、いい意味で切迫感を感じながら作業に集中することできます。
実はこれ、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の小児が集中して作業に取り組むためにも使われる事があります。
このように、目の前のことに集中せざるを得ない環境を作り出すのに必須のアイテムなので、是非一度お試しすることをオススメします。
まとめ:集中力は才能ではない
世界的な指揮者である小澤征爾さんは次のように述べています。
集中力っていうのは、天才のものじゃないんだ。訓練だ。
小澤征爾
尋常ではない集中力を要する指揮者である彼もそう述べるように、
集中力は先天的なものではなく、正しい鍛え方を知り、訓練していくもの
です。
今記事で解説したように、集中力を維持させる環境に身をおくことで、少しずつ集中力のキレやその威力は増していく事でしょう。
そして真に研ぎ澄まされた集中力は、レーザーのように鋭く、いかなる困難や課題に対しても解決する手段となることでしょう。
成功する戦士は、レーザーのような集中力を身につけた、ごく普通の人間である。
ブルース・リー
集中力が切れてしまった時は、こちらの記事をご参考ください。
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