辛い運動や食事制限をすることなく、日々のちょっとした習慣を変えるだけで痩せる方法があれば…

医学的見地から正しい食事法を習慣にすることで、太りにくい体質を維持することができますよ。
この記事では、科学的に正しい太りにくい食事方法を医師である私がご紹介します。
日々の習慣をちょっと変えるだけの誰にでもできる簡単な方法です。
ぜひ生活に取り入れることで健康的で充実した日々を送りましょう。
痩せる食事方法とは:野菜から食べる
現役医師が推奨する太りにくい食事法はこちら。
野菜から食べる
おそらく一度は聞いたことがあるかと思いますが、その理由について詳しく知る人は意外と少ないのではないでしょうか。
このメカニズムを知ることは、日々の生活に習慣として取り入れやすくするだけでなく継続の手助けにもなるので、是非学んでいくことをお勧めします。
食事を野菜から食べる4つの理由

野菜から食べるべき理由は主に4つあります。
- 糖の吸収スピードが遅くなる
- 糖の吸収量を抑える
- 満腹感が得られやすい
- 血中コレステロールを下げる
では一つずつ見ていきましょう。
糖の吸収スピードが遅くなる
野菜を食べることで、その後の糖の吸収スピードが遅くなります。
野菜に含まれる食物繊維がいったん体内に取り込まれると、水を吸収してふくらみネバネバ状になります。
後から食べた糖質はそのネバネバによって体の中の移動スピードが遅くなります。
「移動スピードが遅い=吸収が遅い」
となり、体に害があるとされている、食後の急激な血糖値の上昇を防ぐことができます。
食後の急激な血糖値の上昇は血糖値スパイクと呼ばれ、糖尿病や認知症、がんのリスクとなります。
そういったリスクを避けるために、野菜から食べることは重要なのです。
糖の吸収量を抑える
2つ目の理由は、「糖の吸収を抑える」ということ。
前述したように水を吸収した食物繊維はネバネバ状になり、それが腸の壁に張り付きます。
それによって、あとから消化管に入ってくる糖質の吸収を抑えます。
糖質の吸収スピードだけでなく、糖質の吸収量そのものも抑えることができるのです。
満腹感が得られやすい
野菜を先に食べることによって、満腹感が得られやすくなり、全体の食事摂取量を減らすことにもつながります。
水分を吸収した食物繊維は、そのネバネバした性質から胃の中にとどまりやすく、持続的な満腹感を与えてくれます。
いつもより食事量が少ないにも関わらずお腹いっぱいの満足感を得ることができるので、無理のないダイエットとして最適です。
血中コレステロールを下げる
これは野菜を先に食べるというより、野菜を食べること自体のメリットです。
実は野菜の摂取はコレステロールの吸収を抑えることもできるのです。
食物繊維は腸内で、胆汁酸というコレステロールを吸収するのに必要な物質を吸着させることにより、コレステロールの吸収を抑えます。
また腸を刺激して排便を促進することでコレステロールの排出促進にも役立ちます。
つまり、
- コレステロールの吸収阻害
- コレステロールの排泄促進
の二つの側面から、血中コレステロール値を下げることができます。
もちろん食物繊維の排便促進作用による便秘改善作用もあるので、お通じが気になる方にも嬉しいのではないでしょうか。
野菜をどのくらい食べればいいの?

食物繊維が体に良い影響を与えることはわかりました。
では一体どのくらいの食物繊維を1日に摂取すればいいのか、気になるところでしょう。
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020年版) ではこのようになっています。
- 理想はアメリカ・カナダの基準である24g/日
- 実際の日本人の摂取量はこれよりかなり少ない(中央値:13.7g/日)
- 目標としてこれらの平均値である18.9g/日を設定
すなわち、まずは18.9g/日を目標にし、可能であれば24g/日を目指そうという感じです。
具体的にどの野菜にどのくらいの食物繊維が含まれているかはこちらの表を参照ください。
【野菜に含まれる食物繊維量】
人参 | トマト | ピーマン | きゅうり | しいたけ | |
単位 | 1本 | 中1個 | 1個 | 1本 | 1個 |
食物繊維(g) | 3.5 | 1.5 | 0.9 | 1.1 | 0.5 |
*より詳しくは、大塚製薬のホームページをご参照ください。
例えば人参で一日の目標量を 取ろうとすると、5本半も摂取する必要があります。
これは1日でなかなか摂取できる値ではありません。
そんな人のためにお勧めなのが、こちら。

例えばこちらの野菜ジュースには、食物繊維が3.1gも含まれています。
なんとピーマン3個分です。
私はこちらをまとめ買いして、食前に毎日飲んでいます。
こちらを食前に飲むことで、先ほど解説した食物繊維を先に摂取することで得られる4つのメリットを享受することができます。
十分な量の野菜を常に食前に摂取することはなかなか難しいですが、こちらであれば持ち運びも楽で気軽に続けることができるのでお勧めの方法です。
まとめ:大根どきの医者いらず

このような諺を聞いたことがあるでしょうか。
大根どきの医者いらず
大根の収穫どきにはみんな健康になり、医者がいらなくなるという意
昔から大根をはじめとする野菜は、よろずの病を治す体に良いものという認識があります。
食料がありふれた現代社会において、十分量の野菜を摂取することは思ったより容易ではありません。
そんな中でも、現代医学の知恵や手軽に食物繊維を摂取できる製品を駆使することで、痩せやすい体を作る仕組みを日々の生活に取り入れていきましょう。
ちょっとした習慣の積み重ねが、将来の大きな変化を生むことになります。
まずは初めの一歩を踏み出すことから始めてみましょう。
今日が人生で一番若い日です。
何事も遅すぎるなんてことはありません。

こんな記事も書いています。
私が朝食を食べない理由は、午前のパフォーマンスを最大限にあげたいからです。

参考文献
- 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html
- 大塚製薬株式会社 ホームページ https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/fiber/intake/foods-amount/
- 荒木栄一・山田裕一郎(2014)『糖尿病患者の食事と運動』中山書店
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