皆さん、こんにちは。医師のほしとです。

先日献血を行いました。皆さんは献血をしたことがあるでしょうか。
本記事では、定期的な献血は健康管理に役立つかもしれないという話と、献血のメリット・デメリットや方法などをご紹介します。
献血はいつでも気軽にできる「ボランティア」です。
すきま時間でのストレス解消や休日のリフレッシュとして、自身の健康を管理しつつ社会に貢献してみてはいかがでしょうか。
健康管理に献血はオススメである

健康管理の一環として献血が有用である理由は、献血によるサービスとして血液検査を行ってもらえるからです。
この血液検査、項目が意外と多いのが特徴です。

血液検査の中でも、生化学検査・血球計算検査を行ってくれます。
これらの数値の意義を理解し定期的にフォローしていくだけでも、一段階上の健康管理を行うことができるでしょう。
では次に、献血をするメリットについて解説します。
献血をするメリット

献血をするメリットは主に3つあると考えます。
- 血液検査結果が通知される
- 飲み物やお菓子、記念品がもらえる
- 完全なボランティアである
では順番にみていきましょう。
血液検査をしてもらえる
献血のサービスの一環として、自身の生化学検査・血球計算検査の結果が最短翌日に通知されます。
自身の健康状態を定期的に知ることは、健康管理に取って非常に重要です。
詳しい検査結果の見方はこちらの記事で解説しておりますのでご参考ください。
飲み物やお菓子、記念品がもらえる
献血ルームにはお菓子やドリンクが常備されていています。
中にはアイスが食べられたり、エステのサービスがあるところまであります。
全血献血では400mlの血液を提供します。
ヒトの血液は約4〜5Lなので、献血によっておよそ1/10弱を失うことになります。

回収された血液の一部は水分です。失った分の血液を補充するためにも水分摂取はむしろ推奨されています。そのためのドリンク飲み放題でもあります。
さらに献血をすることでポイントがたまるサービスもあり、溜まったポイントは粗品と交換することもできます。
完全なボランティアである
献血は完全なボランティアです。
言ってしまえば、誰に強制されることもない自由意志での社会奉仕です。
そのような献血という行為は社会のためになるだけでなく、実は自身の心の充実のためという側面も持ち合わせています。
社会貢献というGIVEの精神によって育まれるのは、される側・する側お互いの心です。
このような目に見えない心の充足感を育んでくれることこそが、ボランティアの素晴らしい側面なのではないでしょうか。
献血をするデメリット

献血は少なからずとも人体に侵襲的な処置を伴う行為なので、いくつかのデメリットも存在します。
考えられうるデメリットは主に2つあります。
- 副作用がある
- 採血日に多少の行動制限を伴う
では順番にみていきましょう。
副作用がある
血液を抜いたことで生じるものと、針を刺すことによるものがあります。
考えられる副作用とその頻度を表にまとめました。
気分不良 | 失神に伴う転倒 | 皮下出血 | 神経損傷 | |
頻度(%) | 0.9 | 0.008 | 0.2 | 0.01 |
頻度(対人数) | 1/100 | 1/12500 | 1/500 | 1/10000 |

約100人に1人に起こる気分不良は、血管迷走神経反射(VVR : Vaso Vagal Reaction)と呼ばれ、針をさすこと(今から刺されるという不安でも)をきっかけに迷走神経が刺激され血圧低下を引き起こすものです。
校長先生の長い話の途中で気分が悪くなって倒れるのも、この血管迷走神経反射(VVR)が原因であることが多いです。
採血日に多少の行動制限を伴う
採血の前後には多少の制限が伴います。
- トイレは座位で行う(男性)
- 2時間以内の入浴・当日のサウナは避ける
- 当日の激しいスポーツは避ける
- 採血側の腕に強い負荷がかからないようにする

以上が、献血のメリット・デメリット、そして私がオススメする理由です。
実際に献血してみたいという方は、「日本赤十字社のページ」にどこよりも詳しく方法が書いてありますのでご参照ください。
まとめ:与えることは最高の喜び
かの有名なウォルト・ディズニーの格言にこのようなものがあります。
They will be people who give, who like to bring delight to other people, and therefore gain pleasure and satisfaction for themselves..
与えることは最高の喜びなのだ。他人に喜びを運ぶ人は、それによって自分自身の喜びと満足を得る。
受け取るだけが満足する方法ではありません。
人に与えることによっても、人は満足できる生き物なのです。
身近で気軽に始めることができる献血、試してみてはいかがでしょうか。
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